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【bonjour records recommend】#23

2026.09.30

bonjour recordsによるMUSICレコメンドTOP5

ジャンル、国籍を問わず良いものをセレクトし発信するbonjour recordsより、レコードからレコメンド商品を選定。

レコードカテゴリーは新譜・旧譜問わずリイシュー盤まで、幅広い品揃えの中からおすすめの一枚をTOP5形式でご紹介。

MUSIC

👑 No.1
7FO
ひろった石が割れた
¥3,850(税込)


大阪拠点のコンポーザー・パフォーマー、7FOによるアルバム。

2024年から2025年にかけて録音された本作。作品全体のイメージとして「質量」が掲げられ、曰く「ある日、ふと道でひろった石が7FOの掌で割れた」という出来事からインスピレーションを受けたとのことで、ドラムマシン、ギター、シンセサイザーを中心に「重厚」の異なる側面を探求し、体現している。密度は高いけれど暗くない、低く太い音や反復、ノイズ、ドローン的な持続感がありながらユーモアやポップさがちゃんと残っている。変化し、転がり、現れては消える8つの音の塊から、「質量」と「軽やかさ」という矛盾のユーモラスが感じ取れる。

👑 No.2
Jim O'Rourke & Jos Smolders
Albumin
¥5,830(税込)


2021年の初コラボレーション作以来となるJim O'Rourke(ジム・オルーク)とJos Smolders(ジョス・スモルダース)によるタッグ作品。

3年間に渡り両アーティストはそれぞれのスタジオで、1日ごとのセッションを重ねて制作を行ったという本作。明確な展開やリズム、フックは存在せず、低域の持続的な揺らぎ、細かく分解されたノイズ、空間の反響そのもの、音の発生と消失など、音の粒子的感覚で編集されており、とはいえ整えきらない音の揺れや、微妙にズレたタイミングなど有機的な質感も感じさせる。音そのものの存在感を浮き彫りにし、極限まで拡張したアンビエント、ドローン、現代音響芸術の延長線上にあるような、そんな印象を受ける。。

👑 No.3
Vox Populi!
Sucre De Pasteque
¥5,445(税込)


1981年、ギリシャ・フランス・パレスチナ系のマルチ楽器奏者Axel Kyrou(アクセル・キリュ)によってパリで結成されたインダストリアルレジェンド、Vox Populi!(ヴォックス・ポプリ)。今作は彼らの全盛期の始まりともいえる1986年にリリースされたバンド6作目のフルアルバム『Sucre De Pasteque』の初のVINYL化。

ムジークコンクレートやアーリーインダストリアルサウンドにホルン、フルート、伝統的なペルシャ楽器とサンプリング、ループ、シンセ、テープ操作を以て融合させたオリジナリティ溢れる音楽性を武器に、サイケデリック・コズミックな宇宙的ドローン、トライバルなチャントなど、非西洋的旋律と即興的な演奏が電子ノイズ、アナログテープのザラつきが混沌と実験性を際立たせる。

👑 No.4
Neo Geodesia
Oknha Stamina
¥5,500(税込)


タイの難民キャンプで生まれ、現ロンドンを拠点に活動するカンボジア人クリエイター、Neo Geodesia(ネオ・ジオデシア)ことSaphy Vong(サフィー・ヴォン)のセカンドアルバム。

今作ではカンボジア発祥の格闘技Kun Khmer(クン・クメール)の試合に伴うvong pleng pradal(ヴォン・プレン・プラダル=ボクシング・オーケストラ)の精緻な音楽伴奏に触発され制作された。そこにカンボジアの伝統的な民族音楽アンサンブルであるピン・ペアトの響き、roneat(竹製木琴)、sralai(伝統的な縦型の木管楽器)などの音色を持ち込み、それをpowerviolence、ハードコア、speedcore、IDM的な電子処理と衝突させ、伝統と現代のエッセンスを織り交ぜている。タイトルにもある「oknha」はイギリスの「lord」に近い称号で、カンボジアの支配者一族のエリート上流階級や取り巻きに与えられる呼称だ。このタイトルを、古代から現代まで続く「権力者による娯楽」としてのスポーツ・格闘の構造及びカンボジアと世界の政治における儀式的でゲーム化された暴力的な権力闘争を重ね、かつてのクメール・ルージュによって失われた音楽の伝統を再解釈し、新しい時代のために自分なりのクメール音楽を作ったという。国の歴史と現代世界、それらを格闘ゲームとしてリングにあげた非常にコンセプチュアルな作品。

👑 No.5
Rezzett
Puddings
¥4,400(税込)


Tapes(テープス)とLukid(ルーキッド)の二人からなる、2010年代のUKアンダーグラウンドエレクトロニックシーンを代表する匿名デュオ、Rezzett(レゼット)による2024年リリース作。

今作は「Plum Duff」、「Sticky Toffee」、「Spotted Dick」、「Treacle」などイギリス的なデザート名が付けられ、デジタルノイズとノスタルジアの結びつきを強めている。家庭的な記憶と崩れた音響のコントラストが作品全体のトーンを決定づけており、ノイズと温かさが同居するテクスチャーが特徴となっている。ダンスミュージックの機能性を意図的に弱め、しかしなお身体感覚を残すという、ノスタルジアの中にある「壊れた記憶のクラブミュージック」とでもいうべき質感が表現されている。