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【bonjour records recommend】#14

2026.07.17

bonjour recordsによるMUSICレコメンドTOP5

ジャンル、国籍を問わず良いものをセレクトし発信するbonjour recordsより、レコードからレコメンド商品を選定。

レコードカテゴリーは新譜・旧譜問わずリイシュー盤まで、幅広い品揃えの中からおすすめの一枚をTOP5形式でご紹介。

MUSIC

👑 No.1
Carrtoons/カートゥーンズ
Space Cadet(Sunburst Splash Vinyl)
¥5,830(税込)


NYのプロデューサー、マルチインストゥルメンタリスト、Ben Carr(ベン・カー)のプロジェクトCarrtoons(カートゥーンズ)の4枚目のアルバム。

Tiny Deskにも4回ほど出演歴のある彼、独特のベースライン、レトロなサウンド、そして話題を呼ぶパフォーマンスが特徴で、今作はファンクとソウルを基盤としつつベース主導のグルーヴ設計でずっとノれる温かみのあるアナログ風味な低音が心地よい。客演陣も非常に豪華でDJ Jazzy Jeff(DJジャジー・ジェフ)、Pale Jay(ペイル・ジェイ)、Phonte(フォンテ)、Erick The Architect(エリック・ザ・アーキテクト)、Wiki(ウィキ)などを迎え、アーバンなネオソウル、ディスコ〜ブギー感、ヒップホップとソウルの接続などに夜のイメージがしっくりはまる。

👑 No.2
Ras G/ラスG
Blunts Rolled
¥7,700(税込)


LAのビートシーンを代表するプロデューサー、ビートメイカー、かつてLow End Theoryで活躍し、ヒップホップ、ジャズ、アフロ・スピリチュアル、宇宙思想を融合し、Ghetto Sci-Fiの先駆者、The Afrikan Space Programの長老Ras G(ラスG)による未発表曲18曲を収録。

2019年に惜しくも彼は亡くなっており、亡くなった後にリリースされた本作だが、死後に寄せ集めたものではなく、Ras G自身が思い描いたミックステープの構成をそのまま実現した作品であり、その構成により一曲一曲をじっくり聴くというよりも、一本のスモークセッションを体験するように短いビートが次々に現れては消えていく。これはかつてのカセット時代のビートテープ的なムードも伴い、テープヒスやサンプルノイズは一切処理されず、歪みすらリズムの一部として鳴るさまは、土臭く肉体的である。また作品内で繰り返される「hood to heaven, ancient to future」のフレーズは、ストリートと宇宙思想、過去と未来、相反する概念をビートの中に混在させてきた彼の思想そのものであり彼の哲学を描いた一作品として存在する。

👑 No.3
Lazerbeak/レイザービーク
For Storms
¥9,350(税込)


ミネソタ州ミネアポリスを拠点とするヒップホップコレクティブおよびインディーレーベルDoomtree(ドゥームツリー)の中心人物Lazerbeak(レイザービーク)。プロデューサー、ギタリスト、コンポーザーとして20年以上活動してきた彼の2025年から2026年にかけて発表された4部作、『A Bridge Under The Alley』、『To Be Tubing』、『Seeing Friends』、『For Storms』をまとめた限定版2LPコンピ。

彼自身が「瞑想的なインストゥルメンタルシリーズ」と称するこれらは、現代人が日々晒される情報過多や不安、社会的ノイズから離れ、穏やかで静かな場所へ戻るための環境を作るために制作されたという。彼の言葉通り、本作に派手な展開はほぼなく、ビートメイカーとして名を馳せた人物の作品ながらドラムは主張を控え、アコースティック楽器、柔らかなシンセの調和がゆっくりと呼吸するように流れる。アンビエント、フォーク、ポストロック、ダウンテンポが溶け合ったようなサウンドのこの4作品は空間的なサウンドスケープを演出し、また移ろいゆく四季のスケッチのように穏やかに聴者に寄り添う。

👑 No.4
BASIC/ベーシック
BASIC
¥5,500(税込)


Chris Forsyth(クリス・フォーサイス)、Mikel Patrick Avery(ミケル・パトリック・エイヴリー)と、Tortoise(トータス)での活動で知られる重鎮ベーシストDouglas McCombs(ダグラス・マコームズ)のトリオBASIC(ベーシック)によるセカンドアルバム。

BASICはRobert Quine(ロバート・クワイン)とFred Maher(フレッド・マー)による1984年のコラボレーションアルバム『BASIC』にオマージュを掲げたプロジェクトであり、2024年のファーストアルバム『This Is BASIC』もクラウトロック、ミニマルミュージック、即興演奏を融合したサウンドで高い評価を得た。そして2作目となるこのセルフタイトルアルバムは、その路線をさらに推し進め、バンド独自の言語を獲得しつつある。ひとつのフレーズが繰り返され、その周囲で少しずつ重力が変化していくサウンドはクラウトロックの推進力、ミニマルミュージックの反復、フリージャズ的な自由度、アメリカーナ由来の開放感が絶妙なバランス間で混在している。反復の中で少しずつ景色が変わるさまは、曲単位だけでなくレコード片面が一つの組曲のように機能しているかのように感じさえする。

👑 No.5
Emperor X/エンペラーX
Unified Field
¥5,500(税込)


1998年から活動を続けるUSインディーの異端児、SSW、コンポーザー、Chad R. Matheny(チャド・R・マセニー)によるソロプロジェクトEmperor X(エンペラーX)による、大半をウクライナで作曲・レコーディングされた彼の集大成となる作品。

ローファイ、インディーポップ、フォーク、エレクトロニカを独自に融合させてきた彼は物理学や哲学を学んだ経歴を持ち、知的で情報量の多い歌詞、DIY精神に貫かれたサウンドでカルト的支持を集めてきた。今作ではアルバムの大部分が戦争勃発以来、彼がウクライナに滞在している間に作詞・作曲・録音されたことに起因し、個人的なものと政治的なものの境界線をまたいだテーマを扱っている。政治、テクノロジー、宗教、資本主義、不安、ユーモア、そして個人の感情、が11曲の中で激しく衝突しながらも、不思議とひとつの作品へ収束・統合されていく、知性と混沌のポップミュージックである。