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【bonjour records recommend 3】#12

2026.04.02

bonjour recordsによるMUSIC/BOOKレコメンドTOP3

ジャンル、国籍を問わず良いものをセレクトし発信するbonjour recordsより、レコード・BOOKからレコメンド商品を選定。

レコードカテゴリーは新譜・旧譜問わずリイシュー盤まで、BOOKカテゴリーは雑誌、写真集、アートブックなど幅広い品揃えの中からおすすめの一枚/一冊をTOP3形式でご紹介。

MUSIC

👑 No.1
Pink Siifu/ピンク・シーフ
Black'!Antique
¥8,030(税込)


アラバマ州バーミンガム出身のラッパー/プロデューサー、Pink Siifu(ピンク・シーフ)4枚目のスタジオソロアルバム。19曲・約77分の大作で、「自分自身に向き合う鏡のようなプロジェクト」として位置付け、一人のアーティストが唯一無二であることを示す表現として構想している。パンク、アンビエント、ノイズ、スクリューなど多彩でジャンル横断的なエクスペリメンタルヒップホップのスタイルを執り、ダークで実験的なトラックから、時にネオソウル・ジャズのテイストを取り込んだ曲まで幅広く展開。しばしばSiifuの声がサウンドに埋もれ、テクスチャと雰囲気が中心となる構造も多く、音響的な没入感を聴者に与え、多層的でカオティックなサウンドアートに仕上がっている。

👑 No.2
Knucks/ナックス
A Fine African Man
¥8,800(税込)


ロンドン出身のラッパー・プロデューサー、UKヒップホップ〜グライム〜アフロフュージョンなどを行き交うknucks(ナックス)による、英国とナイジェリアの二重の疎外という個人的な経験を基に制作されたアルバム。

12歳でロンドンからナイジェリアの寄宿学校に送られた彼は双方の国で二重の疎外感を味わうこととなる。が、その「居場所の無さ」を自身のクリエイティヴィティの形成するリソースとして扱い、文化的アイデンティティとルーツの探求を試みている。ウェストロンドンの都市感覚、ナイジェリアのイボ文化の伝統と記憶を交錯させ、UKとアフリカ音楽双方の空気感を纏わせている。

👑 No.3
Pharoah Chromium/ファロア・クロミウム
Chronicles from the Arab Cold War
¥7,260(税込)


ドイツ系パレスチナ人のミュージシャン、サウンドパフォーマー、Ghazi Barakat(ガジ・バラカット)によるプロジェクト、Pharoah Chromium(ファロア・クロミウム)によるアルバム。

タイトルが示す通り、アラブの歴史的・政治的な文脈を背景に生と死、希望と怒り、無垢と対立がサウンドとして体現されており、これまでの彼の作品と一貫したテーマを取り扱う。サウンドは実験音楽、現代音響、ワールド・ミュージックを織り交ぜ、EWIやフルート、パーカッション的なビートをベースにフィールド録音や声を絡めるスタイル。Side Aではガザの子どもたちへの献辞として構成され、オマーンの子供たちの革命歌の声を取り込み、歴史的声音を通して希望や抵抗のイメージを喚起する。Side Bは共同制作者のトランペット奏者Philipp Selalmazidis(フィリップ・セラルマジディス)がセッションを通して登場、より暗く、イスラエルとハマスの間の10月7日以降の紛争の激化を反映した送的な雰囲気へと変化する。Side Aの思春期の歌声からSide Bでは大人の声に変わり、無邪気さから対決への明確な移行が示唆され、怒りとイデオロギー的なレトリックで満たされていく。このアルバムは聴くことで目撃者として今なお続く歴史と関わる行為になるのである。

BOOK

👑 No.1
Diane Arbus/ダイアン・アーバス
ANCTUM SANCTORUM
¥11,000(税込)


20世紀アメリカ写真を代表する写真家の一人、「周縁に生きる人々」を真正面から撮った作家Diane Arbus(ダイアン・アーバス)の作品集で、2025年11月から2026年1月にかけて、ロンドンのギャラリーDavid Zwirnerで開催された展覧会に伴い刊行。彼女の晩年、1961年から1971年にかけて、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニア、ロンドンの私的な場所で制作された45点の写真を収録。本書に収められた写真はいずれも親密な環境で撮影されているが、初期作品に見られるような、被写体とカメラのあいだの鋭い対峙や違和感は影を潜め、代わりにどこか穏やかで撮影者と被写体のあいだに生じた言葉を介さない応答の瞬間、被写体との信頼が写し出されている。写真を見るという行為そのものを問い返される、誠実かつ在り方を考えさせる一冊。

👑 No.2
Wes Anderson/ウェス・アンダーソン

THE ARCHIVES
¥9,900(税込)


アメリカの映画監督Wes Anderson(ウェス・アンダーソン)の作品集。パリのCinematheque francaiseとロンドンのDesign Museumが作者と共同企画した、2026年7月27日まで開催されている自身作品の初の回顧展に伴い刊行。ノート、ドローイング、絵画、ポラロイド、小道具、人形、セット、衣装など、作品にまつわる豊かな資料を作者は保存しており、彼の作品に登場する名だたる俳優たちがその資料を引き立てる、作者の30年以上の映画活動の功績を称える一冊。

No.3
Gordon Matta-Clark/ゴードン・マッタ・クラーク

PASSING THROUGH MOVING IN AND GETTING AWAY WITH IT
¥17,600(税込)


アメリカ人アーティストGordon Matta-Clark(ゴードン・マッタ・クラーク)の作品集。1972年〜1973年に掛けて1,500点を超えるグラフィティの写真をニューヨーク市内で撮影しており、本書はそれらのイメージが収録され、グラフィティがひとつの表現として広がり始めた時期を伝える最初期の記録のひとつであり、彼の思考と行為の痕跡を通過するためのドキュメントに近い一冊。作者はこの一連の撮影によって一回性の行為がいかにして成立していたかを明らかにし、また放棄された建築物やインフラ、そして都市における社会的な営みもそこには含まれていた。「一時的に入り込み、何かを変え、痕跡だけ残して去る」行為が都市や空間とどう関わり得るのかを、根本から問い直す入口として本書は存在する。