ATELIER SESSION - tangenet -
2021.09.21
21AW HOMMEで取り扱う様々なブランド。
その中で、顧客に対し真摯に取り組み、
変化と進化を続ける
国内の気鋭達へ取材を行った。
新ブランド
デザイナー吉屋充氏が思う在り方とは?
(前編/後編二部構成)
「理科室」から生まれる、神秘的な白と黒 前編
「好きなものを、好きなだけ」を叶えるために“持続可能性”
昨今トレンドのように謳われるこの言葉には、
人それぞれの解釈がある。
tangenet デザイナーの吉屋 充氏(会話文以下 吉)は、
様々な実験を行いながら、ある一つの答えを導いた。
廃棄せずに、ユーザーに寄り添える“白と黒”
言葉にしてしまうとどこか小難しく聞こえてしまうが、
吉屋氏のきっかけ自体は単純明快だった。
ただ一つ問題があって、どうしても白は汚れやすいし、
目立ちやすい。
好きだからこそ何度も洗濯して着るんですけど、
その分生地は劣化するし、交換サイクルが普通の洋服に比べて
短くなる。
難しいところなんですけどね。
でもやっぱり気に入ったものは長く着たいじゃないですか。」
なるほど。
襟ぐりの黄変や汚れの落ちづらさなど
恐らく誰もが経験したことがあるのではないか。
「捨てない白を作りたい」
その思いこそが、tangenetのDNAを形成する
要素の一つ。
gene (遺伝子)
network (人々の繋がり)
この3つの言葉を融合させたブランド名「tangenet」。
そもそも、アダム エ ロぺで取り扱うきっかけとなったのは、
バイヤー溝渕(会話文 以下溝)からのSNSを通じてのDMという、
実に現代的なものだった。
と最初は思っていたんです。
でも吉屋さんに会ってみたらむしろ真逆で(笑)
より興味が沸いたんです。」
11年ほど前に、高円寺から葉山へ引っ越したという吉屋氏。
快活で柔らかい印象は受けつつも、瞳の強さと飽なき探求心が
インタビュー時の言葉の節々からも感じられた。
足を運ぶようになったんですけど、すごい“気”がいい感じがして。
流れている空気というか、時間が僕にとっては特別で。
食べることも飲むことも好きだし、
いまでも好きなものを、好きなだけ
というのは変わらない。
でも、朝はランニングするようになりましたね。
・・・それに、葉山に来てなかったら、tangenet は生まれてなかったと思います。」
後編へ続く