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Localization.|モデル/LISEI・原島隆斗が触れる 新潟県加茂市に息づくG.F.G.S.の想い。

2023.02.09

日本を代表するボーダーカットソーのブランドをつくりたい。

〈G.F.G.S.〉は代表・小栁雄一郎さんの溢れる想いから14年前に始まりました。
まだSDGsという言葉がこれほど広がる前に、受注生産で無駄にしないものづくりやピュアオーガニックコットンの使用、地元である新潟県加茂市から発信することなどを始めたのはごく自然な流れだったそう。

ADAM ET ROPÉでは2021年より別注商品を展開し、多くのお客さまに好評いただいています。今のファッション業界のムーブメントをいち早く読み取った〈G.F.G.S.〉を、モデルのLISEIさんと原島隆斗さん夫妻が訪れました。

LISEI

福井県出身。桑沢デザイン研究所でファッションを学んだあと、モデルとしての活動を開始。現在は雑誌やWEBコンテンツ、カタログなどで活躍中。センスの光る私服スタイルも人気。実はテキスタイル会社で勤務経験あり。
Instagtam:@sheshelise

原島隆斗

東京都出身。文化服装学院在学中にモデルとしてデビュー。海外の事務所にも所属し、コレクションのランウェイのほか、広告やカタログで活躍中。ファッションだけには止まらず、ビューティにもジャンルを広げている。
Instagtam:@by_takato

商店街のなか突如現れるカラフルなファクトリー

G.F.G.S.

新潟県加茂市本町3-12 1F
0256-46-8798
Instagtam:@gfgs

小栁:初めまして。加茂市へようこそ!

LISEI:今日はよろしくお願いします。商店街に突然グラフィカルなお店が現れたので驚きました。

原島:上に看板の跡がありましたが、元々は歯医者さんだったんですか?

小栁:そう、リノベーションしてショップとファクトリーを併設しています。僕は工場が商店街のなかにあるのがかっこいいと思っていて。お豆腐屋さんや畳屋さんなどの並びにボーダーのファクトリーがあって、人々が訪れてくれるってなんだかいいじゃないですか。

LISEI:確かに。

小栁:手前がショップで、奥がファクトリーになっています。今ちょうど〈ADAM ET ROPÉ〉さんとの別注アイテムを生産しているところなので見学していってください。

小栁:まずここは機械でカットソーの生地を編む「編み立て」の場。編み立て機を見るのは初めてですか?

原島:実はふたりとも服飾の学校に通っていたんです。僕はビジネスの方だったんですけど。

LISEI:私は縫製だったのですが、編み立て機を実際に見るのは初めてです。

小栁:ブランドを始めた当初の僕よりちゃんとしてる。実家の縫製業がリーマンショックで廃業寸前のときに38歳で脱サラしたんですが、それまでアパレルの仕事をしていたわけではないから。この機械だって最初は誰も扱える人がいないのに買っちゃったんですよ(笑)。

原島:じゃあ始めのうちは手探りで?

小栁:そう、知らないこと・やれないことがあってもとりあえず自分たちの手で、というのがブランドの出発点です。

LISEI:素敵ですね。機械は何台あるんですか?

小栁:全部で4台なんだけど、楽しい方がいいなと思ってそれぞれにステッカーを貼っています。愛着が湧くしね。せっかくなら働いていて楽しい職場にしたいというのが僕のモットーなんで。

小栁:次は「縫製」。編み上がった生地の表と裏を合わせて一気に縫うんですが、裏が見えない状態でミシンをかけるのでスペシャリストじゃないとこの工程はできないんです。ボーダーも合わせなくちゃいけないしね。

原島:職人技で、ずっと眺めていられますね。LISEI、やってみたいんじゃない?

LISEI:家で古着のリメイクとかはしているけど、商品を縫うとなると気軽にやりたいって言えない(笑)。私のミシンもJIKIなんです。家庭用ですけど。

小栁:おお、メーカーを知ってるのは素人じゃないですね。経験のあるモデルさんに見てもらえるのは嬉しいな。

小栁:最後に縫製をまとめて、検品するパート。〈G.F.G.S.〉のカットソーは地縫いしてからロックミシンをかけるんです。うちの商品が丈夫なのは、生地もそうですが縫製のおかげでもあるんです。

LISEI:手がこんでいますね。このリボンみたいなものはなんですか?

小栁:カットソーの首に当たるパーツですね。ナイロンだと肌触りが気になる方もいるので、生地と同じオーガニックコットンの糸を使って自分たちで編んでいます。

原島:それはありがたいですね。

小栁:それぞれの色に合わせてひと目ひと目縫って、目を針で閉じて…。根気がいる作業だし大変だけど、いいものをつくろうと思ったらこういうディテールをないがしろにできないんですよ。

原島:先ほど脱サラしたとおっしゃっていましたが、元々は何をされていたんですか?

小栁:刃物メーカーにいたんです。その会社では1日に600点ほどつくっていたんですよ。その計算だと年間生産が1万数千という数になるけど、そんなに刃物を使う人がいるのかすごく疑問で。自分が〈G.F.G.S.〉を始めるときはボーダーに特化しつつ、受注生産にしようと思ったんです。

LISEI:SDGsの先駆けですよね。

小栁:とくに狙ってやったわけじゃなくて。僕が起業した13、4年前はSDGsという言葉はヨーロッパでしか認識されていなかったんです。自分の引き出しにあった大好きな音楽や映画などのカルチャー全般のアイデアを〈G.F.G.S.〉に詰め込んだら、自然とSDGsになっていた。例えば大量につくらないとか、毎年毎年新しいデザインをリリースするサイクルじゃなくていいとかですね。

原島:商店街の方々の反応はどうでしたか?

小栁:実は商店街内で何度か引っ越ししていて、この場所でもう3箇所目なんです。10年前は僕、金髪だったし周りの人たちは「またあいつが何かやってる」って慣れっこになってきたんじゃないかな。小さな町で平穏に暮らしている人がいて、そこを騒がせたいわけじゃないけどちょっとフックを入れたい。若い人も訪れてくれるし、こうやって全国規模のブランドさんとコラボもできるなんてみんな喜んでくれていると思いますよ。

LISEI:それって地域に貢献していることにも繋がりますよね。

小栁:よく新潟の人なんかにそうやって言われるんですけど、地域の活性化に貢献しているとか、地域に根ざした企業とか全然意識してなくて。自分たちが個性的に活動していいものをつくったら自然と地域貢献になるなら、いいですよね。地域貢献ありきで作業したり、町おこしだって始めるのは好きじゃないですね(笑)。

LISEI:わかります(笑)。

小栁:結果的に〈G.F.G.S.〉のおかげで若い人が増えたり地域の方を雇用できたり、こういう取材でご縁が生まれたり。何事も自然なのがいいですよね。

原島:小栁さんはブランドのほかにも加茂市のお土産物屋「BBC」のプロデュースもされていますが、今後やってみたいことはありますか?

小栁:春からは日産と協業してクルマの事業を始めるんです。今は電気自動車が注目されているけど、ガソリン車でも愛着を持って長く乗ればSDGsなんじゃないかな?と思って。これからインスタでも提案していくのでぜひ見てみてください。

LISEI:なんでも屋さんですね! すごく楽しそうです。

小栁:これで楽しくないなんて言ったらバチが当たりますよね。最初はいろんな人にボーダーだけで食っていけるわけないって噂されたけど、今日も元気に働いて素敵な人たちが話に来てくれる。やっぱりこだわり続けるのが大事だって思います。

カラーブロックが特徴的な別注アイテムは全3色

今春の〈ADAM ET ROPÉ〉との別注はフロントと右袖が白ベース、バックと左袖がネイビーベースになった爽やかな配色。ネイビーとの掛け合わせとしてはブルー・オレンジ・ピンクをセレクト。コーディネートにアクセントを加えてくれます。

ふたりはさらなる加茂市の魅力を探しに街を散策!

■ BBC

〈G.F.G.S〉がプロデュースする加茂市のお土産処

2021年にオープンしたお土産処&カフェ。
名物はドーナッツで、フランス産と国産の小麦をブレンドしたふわふわ&もっちりな食感が人気。コーヒーとのペアリングを楽しんで。

BBC

新潟県加茂市穀町8−27
0256-57-1020
Instagtam:@bbc_kamo

■ 田辺菓子舗

大きさに驚き、食べて感激。
しっとり優しいかりん糖

元々はさまざまなお菓子をつくっていたが、今はかりん糖一筋に。
90年間同じレシピで生み出されるかりん糖は、なんと全長約10cm。しっとりした食感と贅沢な黒蜜はやみつきに!

田辺菓子舗

新潟県加茂市若宮町1-5-1
0256-52-0615
HP:田辺菓子舗ホームページ

■ AMEYA AISU

130年続く飴屋の5代目が復活させた祖父のアイス

中学生から飴づくりを手伝っていた5代目が、消えた名産であるあずきアイスを復活させたのが4年前。
常時8種ほど揃えるアイスのほか、コーヒーやナチュラルワインも楽しめる。

AMEYA AISU

新潟県加茂市仲町3-5
0256-64-8797
Instagtam:@candyshop1897

■ 涌井金太郎商店

ごんぼっ葉をブレンドした歯応えのある笹団子

コシのある餅に仕上げる「ごんぼっ葉」を加えたのが涌井金太郎商店の笹団子の特徴なんだそう。
そこに固くならないように絶妙によもぎも混ぜているのが、明治29年から続くお店のこだわり。

涌井金太郎商店

新潟県加茂市新町2-3-10
0256-52-0237
HP:涌井金太郎商店ホームページ

■ 珈琲屋

自家焙煎だけでなくソースもデザートも自家製!

パスタだけで20種ほど、デザートもアイスからケーキまですべて自作するマスターに脱帽。
商店街から少し離れた場所にあるけど、加茂市を訪れたら絶対に外せない名店。

珈琲屋

新潟県加茂市加茂新田8400
0256-53-3800
HP:珈琲屋ホームページ

■ マスカガミ

蔵に併設されたショップでのみ30種以上の日本酒が揃う

飲食関係者にファンが多い加茂市の蔵元。万葉集の和歌に由来するマスカガミは明治25年創業。
近年はアルファベットラインと呼ばれる普通酒・純米酒がまるで大吟醸! と好評。

マスカガミ

新潟県加茂市若宮町1-1-32
0256-52-0041
HP:マスカガミホームページ

Thanks

Photo_Wataru Kakuta(TRIVAL)@wataru_kakuta
Model_LISEI(TOMORROW TOKYO)@sheshelise
Model_TAKATO HARASHIMA(FRIDAY)@by_takato
EDIT&TEXT_REIKO MATSUSHITA@matsushitareiko

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