Holiday Message from RYUTO MIYAKE - 10YEARS RESPECT from SALON -
2023.12.21
SALON adam et ropéはファッションに限らず、日々の暮らしをさらに充実させるフード・ライフスタイルをブランド発足以来提案し続け、さまざまな方に支えられ10周年を迎えました。
今回、10周年を記念し、繊細なタッチと色づかいで世代・性別・国籍を問わず人気を博している三宅 瑠人さんのアトリエを訪ね、インタビューを行いました。
ホリデームードを感じるアトリエ写真とメッセージをぜひご覧ください。
"アノニマス"なデザインのなかにあるたしかな温度
- 三宅さんとはもう数年お仕事をご一緒させていただいておりますが、まずサロンとの出会いを教えてください。三宅(以下M) :
もともとは、丸山さん(SALON adam et ropé 吉祥寺店のメニュー開発等、フードエリアをディレクションいただいている、丸山 智博シェフ)からお仕事のご依頼をいただいたのがきっかけです。
一番最初は【eat bin】のパッケージデザインと、それに合わせてフード・ライフスタイル雑貨の別注イラストデザインをご一緒させていただきました。
その丸山さんとの出会いも、実はまったく別のタイミングで、パリの友人から紹介いただいたのがきっかけで。
周りの方にも恵まれ、今もサロンさんとはご一緒させていただいてます。
M : ありがとうございます。海外の書籍や新聞などからインスピレーションを得たり、ブックフェアで気になったものを買い、そこからイメージが沸いたりすることが多いですね。先日行ったパリでもいくつか気になるものを購入してきました。
もちろんものによって気に入るところは違うのですが、フォントだったり、今では考えられないような工程だったり、古書は読んでいて発見がとても多い。付箋や落書きとか、誰かの手に渡った温度が感じられたり。
それから、僕は図鑑が好きなんですが、どこかアノニマス(匿名)なところにも惹かれるんです。
M : 在学中からお仕事はご依頼をいただき、グラフィックやイラストのデザインを制作してきました。
今でもお仕事をご一緒できている方もいて、ここ数年は特に人の縁を感じます。
依頼を受けることはもちろんありがたいですし、今はさまざまな業種の方とお仕事できる機会が増えて、とても楽しい。
さまざまな時代の流れのなかで、今までのおおきな枠組みからさらに細分化されて、コミュニティもより密度が濃くなっていくと思っています。
だからこそ、いまの自分への需要を大切にしながら、その需要に対して丁寧に応えていきたいです。
M : ありがとうございます。よく見ると結構複雑な色づかいになっているので、ぜひ見ていただきたいです。印刷の色味もとても綺麗に出ており、個人的にも気に入っています。
去年制作させていただいたデザインも気に入っていますが、こちらも良いですね。
M : もともと食べることが好きですし、作ることも好きなのですが、さまざまな方と関わるなかでより"食"というものに興味は沸きました。
だからこそ、日々勉強ですし、リスペクトのある方々とお仕事をするうえで学びもとても多い。
先日行ったパリでも友人に聞いてさまざまな店に訪問し、出会いや発見がありました。
M : ものすごく特別なこと、というよりは、実は母が12月25日、祖父が1月1日が誕生日なんです。
なので、クリスマスやお正月もですが、その二人の特別な日、という印象です。もっとも二人にとっては行事と同じタイミングで祝われるので複雑だったかもしれませんが(笑)
でも僕にとってはどちらも小さい頃から特別な日ですね。
それでは、最後に今後の抱負について教えてください。
M : そうですね・・・さまざまなメディアでもお話しさせていただいているのですが、もともと小さい頃から鳥が好きで、お仕事もたくさんさせていただいたのですが、去年図鑑を出せたんです。そのなかには作り手の方はもちろん、研究されている方からのさまざまなオーダーが反映され、自分自身も想像力を振り絞りながらたくさんのイラストを掲載させていただきました。
次の目標が今の時点では明確なわけではないのですが、先にお話ししたさまざまな業種の方とお仕事をする上での化学反応というか、学びや発見が今はとても楽しく、たくさんの方と出会い何かを一緒に作っていきたいと思っています。
ファッションや食以外にもたくさんの業種があるから、まだまだ自分の知らないことを知れるのは楽しいですし、たくさんの方との縁がある今がとても嬉しい。
そういう意味では、漠然と大きなことではなく、密度の濃さと情緒を大切にしていきたいですね。
グラフィックデザイナー、イラストレーター。海外の古い図鑑に影響を受けた繊細なタッチの動植物・日用品のイラストレーションで知られる。国内外のファッションブランドのビジュアル制作や書籍の装画など多岐にわたって活動。グラフィックデザイナーとしても、ブランディング、パッケージ、レコードジャケットなどを数多くを手掛けている。著書に『Subject & Object』(グラフィック社)、『Around The World in 80 Birds』(Laurence King Publishing)。最近のデザインの仕事に「エルマーのぼうけん展」(PLAY! MUSEUM)、La Pita LA PITA DE MAISON CINQUANTECINQなど。
ryutomiyake.com / @ryutomiyake
Photographer
Yosuke Ejima