思い出すのは、
幼少のころに使っていたクレヨンたち。
朱色の缶に入ったそれらは、いつだって私のそばにあった。
真っ白な画用紙に描く赤い円。緑色の四角。
そして複雑に入り組んだ、
いくつもの色が重なる、幾何学模様。
好きな色や形はその時々で変わるけれど、
その鮮やかな色たちは私には欠かせない存在だった。
嬉しいとき 悲しいとき 怒りたくなるとき
私はクレヨンを持つその手を画用紙のうえで走らせた。
色は人生を満たしてくれる。
といえば大げさに聞こえるかもしれないけれど、
少なくとも私は、
それが持つ力を信じている。