思うように外出もできず、自由に旅行へもいけない、この2年間は、彼女にとってどのようなものだったのだろう。ライブ活動も満足にできない状況下では、自分と聞き手が“つながる”数少ないメディアこそ自身の楽曲だったに違いない。今、ハッピーホリデーをテーマにアダム エ ロペのための楽曲制作に取り組むメイリン。彼女の楽曲が生まれる時間、そして場所、そこに寄り添う洋服についてのドキュメンタリー。
アーティストの友人のもとを訪ねたり、現地のアーティストとコラボレーションしたりと、思い入れの深い場所のひとつでもあるフランス・パリ。以前は休暇のたびに訪れるほどお気に入りだったその場所にはしばらく行けていないけれど、友人とはこまめに連絡をとっているそう。楽曲制作で行き詰まったとき、思い浮かぶのはいつもパリでの情景だ。
作詞作曲やボーカル、トラック制作やパフォーマンスなど、その多くを一人で手掛けるメイリン。そんな彼女の拠り所となる場所こそが自身の部屋だ。「自分の部屋はいちばん思い入れの強い場所。でもときに息が詰まることも。そんなときパリでの時間を想うことがよくあります。そうやって、サウンドが聞き手に届いて一体になったときのことを考えると頑張れるんです」。
オーガニックコットンのマキシ丈ワンピは、部屋でも快適だしお出掛けもできる。それに、一枚でサマになるキャメルの凝ったコートがあれば、楽曲制作の合間の息抜きさえもルンルンに。そうするとまた、空き容量が増えて、むくむくとインスピレーションが湧いてくる。自分の本当に好きなものに、人に、向き合い、できたものを届けたい!自分の“好き”をつなげたい!と。
モデルや女優としても活動し、ソロプロジェクトZOMBIE-CHANG名義で、テレビ番組やCM、Marc Jacobsなどといったアパレルブランドにも楽曲提供を行い、自身の楽曲制作からMVのプロデュース、アートワーク、グッズ制作まで全てを手掛ける。2021年10月にパラッパラッパーのコラボレーションCMに書き下ろした最新シングル「PaRappa the Gabber」をリリース。