ATELIER SESSION -KIMMY-
2021.10.10
21AW HOMMEで取り扱う様々なブランド。
その中で、顧客に対し真摯に取り組み、
変化と進化を続ける
国内の気鋭達へ取材を行った。
新ブランドとファッションの未来、
そしてデザイナーKIMMY氏の「自然」の解釈とは?
(前編/後編二部構成)
手を繋いだ先にあるもの 前編
自然×テクノロジーの化学変化某スポーツシューズメーカーのアパレル専属の
デザインマネージャーとして、様々な企画や発信を行ってきた
経歴を持つデザイナーKIMMY氏。
2020年に新たに自身の名を冠としたニューブランドである
「KIMMY」を立ち上げ、様々な媒体でも取り上げられている。
100年の歴史を誇るシューズに対し、
アパレルの歴史はまだ浅かったんです。
だからこそブランドの根幹にあるシューズをベースに考え、
シューズをもっとも美しく見せるパンツという発想で、
アパレル開発に取り組みました。
シューズが一番綺麗に見える丈感や、全体のシルエットの構築に
どんどんハマっていきました。」
ボトムを軸としたアパレルプロジェクトは
様々な人の目に触れることとなり、
新しいカスタマーの獲得へとつながり、
結果として成功をおさめることとなった。
KIMMYというブランドの1st COLLECTIONでも
様々なアイテムがラインナップする中、
試作はパンツから始めたという。
「パンツの造形が好きなんですよ(笑)
股上とワタリのほんの少しの違いとか、
パターンもそうなんですけど5mmで実はすごく違って見える。
面白いし奥が深いんです。」
“HUMAN CRAFT & FUNCTION”
<昔ながらの手仕事>と<先端テクノロジー>という両軸にある
相反するものを掛け合わせることで生まれる
造形美やぬくもりを軸とし、様々アイテムを展開しているが、
KIMMY氏の考え方はもっとシンプルなものだった。
バックグラウンドにある本当に好きなものを
掛け合わせることで、自分自身が楽しめる。
様々な経験をしてきて、好きじゃないのにやったら
失敗すると思ってるんです。ブラフではできない。
お客さんは他者ではなく服好きな自分。
常に自分自身が買うつもりで、
本当に欲しいと思う服を作ります。
服自体もそうですし、
そんな価値観に共感していただけることがとても幸せです。」
ブランドの価値観やものを気に入ってもらえた人に
着てもらいたい。
“自分が好きじゃないモノやコトは続かない。”
シンプルな答えのはずなのに、
昨今のファッション業界において忘れられがちである。
KIMMY氏の扱う「自然」という言葉は、
そういった人と人とのつながりではないものに対して
見つめ直すためのロードサインのようにも感じた。
-10月末日更新予定